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五十路おひとり様予備軍のいつまでたっても……


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2008/04/23 15:20 こゆび44

【感想】戯曲『かもめ』

そこはかとなく遣りきれない人達の物語。物語と言うか出来事と言うか…。
登場人物の誰に焦点を当てているのか、“かもめ”とは誰のことを言っているのか…色々と私にはまだよくわかりません…(汗)。
藤原さんが今夏この作品に出演するので読んでみたのですが、どんよりとそして後味の悪い感じがしました。“かもめ”と言う言葉から私が頭に思い浮かべるのは、瑠璃色の海と真っ青な空の間で自由に羽根を広げている鳥の姿です。でもこの戯曲からはそんな“かもめ”の姿は連想出来ず、羽根を折れたような感じで広げたまま硬直したかもめの屍の姿ですね。このどんより感。芸術家の頭の中って、絶えずこんな感じなのかなぁ…とも思いましたね。

登場人物達は芸術を愛し追及しているようですが、凡人の私から見れば、彼等の誰一人としてそれによって幸福を得られているようには思えなくて。それでも唯一、ラストのニーナの姿を前向きな決断をしたと考えていいのか。それは実際に劇を観て、役者の表情やセリフ回しを感じてみなければわからないです。

簡単な役などないとは思いますが、藤原さんが挑むトレープレフ…これもかなりの曲者のようで…。トレープレフのどんよりを、どんな感じで見せてくれるのか…楽しみでございます。


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2008/03/30 23:15 こゆび44

【感想】小説『浮雲』

この小説には句読点が殆んどなく(後半の方になると出てきますが)、会話の時に使われる「」も受けの方がありません。でも文章の流れの調子が良くて、何かこう楽しくなってくるようなリズムでございました。
そして本来ならカタカナで表記される語を、あえて漢字表記にしているところがまた楽しいのです。例えば“ロジック”を“論争矩”、“ビスマルク”を“比斯馬克”とか、多分意味と音に合う漢字を充てているのでしょうが、遊びでこんなことをやったら面白いかも?

優秀で誠実だけれど、処世述に長けていない主人公・文三の人生の敗北を描いた作品。
官庁に勤めている文三は優秀で信念ある人間なのだけれど、口下手で立ち回りが悪く、上司にお世辞の1つも言えない。比べて同僚の昇は、さして学問は出来なければ信念も持たない野卑な人間でも、口八丁手八丁で巧みに上司に取り入ることが出来る人間。それなのに職場をクビになり職を失ったのは結局文三の方で、昇はどんどん出世していく。おまけに文三は、いい感じでお互いの恋心を育んできた女性・お勢までも昇に横取りされてしまう。
恐らく大抵の読者は、文三の逆転劇を願って読み進めていくと思うのですが、文三は敗れたままで、何とも中途半端なところで、「えっ?」と言う感じに物語りは突然プチッと終わってしまうのです。どうも作者は途中で書けなくなってしまったようです。それは身体の問題ではなく、気持ちの問題から。

一般的に言って文三は“いい人”、昇は“嫌な奴”になると思うのですが、でも実生活の中では高潔な文三は敗れ、卑屈な昇が勝利する…。本当は文三のような信念ある人間になりたいけれど、生き残るためにはそれを捨てなければならない…。「早くそんな奇麗事は捨てた方が、勝ち組になれるよ~。」ともう1人の自分が囁いている…。こう言った相克は、古今東西共通なものなのでしょうか…。
明治時代の頃、作者が答えを出せなかったこの矛盾。平成の現代においても、人々は未だに答えを出せず、浮雲のようにふわふわと世の中を漂泊しているような気がするのでございます…。


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2008/01/18 13:52 こゆび44

【感想】小説『破戒』

信州の飯山を舞台にしたこの小説、読みながらその情景を頭のキャンバスに描いていったのですが、この小説が発刊された当時の挿絵を見る機会に恵まれ、その絵に描かれていた情景が、自分のイメージしたものとぴったりだったのには感動しました。それだけ作者の観察力と文章が優れているのだと思います。

明治、まだ部落差別の意識が民衆の間に横行していた頃の物語。自分が穢多(えた)と蔑まれる部落民であることをひたすら隠している青年教師・丑松が、父の「隠せ!」という戒めを破り、自分の素性を告白してしまうまでの話。
まず、この露骨なまでの差別意識と、あまりにもストーレト過ぎる差別行為に驚きました。差別する人間の方が卑しいとされる現代に生きる私の想像をそれは越えておりました。しかしそんな不条理な世の中においても、丑松は怒りを感じるよりも、絶望と恐怖に支配されています。警戒心と猜疑心と、そしてそれを上回る恐怖…。これらに翻弄される丑松の姿に、“話せばならないことを、話すべき人に告白出来ない…”そんな覚えのある人間は、その時の罪悪感と不甲斐なさを鮮明に甦らせると思います。隠そうとするから周囲も暴こうとする…。最初に開き直り堂々と全てを打ち明けてしまえば、その潔さが幸いして、物事も良い方向へ進んでいくものなのかも知れません。しかし、一度そのタイミングを逃してしまうと、後はもう最悪のところまで行き着くしかないような…。その一瞬のタイミングに勇気を出せるかどうか…そんなことも感じました。
不思議なことに、差別される人間は、同胞を忌むものです。穢多の丑松が穢多を卑しんでいる…人間の哀しい性だと思いました。

丑松の思いに反して、周囲の者達はどんどん丑松を追い詰めて行きます。そんな中、自分の尊敬する同じ穢多である先輩の潔い死に様により力を得た丑松は、ついに教え子達に自分の素性を告白することを決意します。教え子達の前で土下座をし泣きながら「許して下さい」と懺悔する丑松の姿に、憐れさと同情でいっぱいになりましたが、それと同時に、何で丑松が謝らなければならないのか?と言う怒りに近い疑問も浮かんできたのも確かでした。
破戒の後、丑松は、差別が横行する社会と闘おうとはせず、テキサスへ旅立ちます。現代の人間から見れば、それは逃げ出したと言うことになり、物足りなさやイヤな後味が残るような気もしますが、そういう時代だったのでしょう…。

それにしても、この丑松という人物、これはお気に入りの俳優さんに演じて欲しいキャラクターですねぇ…。


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2007/11/25 21:22 こゆび44

【感想】小説『愛の流刑地』

男の人の気持ちはよくわかりませんが、“従順”と“淫蕩”この両面を持ち合わせている女性を理想とする人は多いのではないかと…この小説を読みながらそんなことを勝手に想像しておりました。

深すぎるあまりに一種変質的な菊治と冬香の愛。これまでに冬香のような情念に取り憑かれたことがない私ですが、こんな愛の姿もあるのかも知れないな…と観念ではわかる気もします。でもきっと私はこれからも“このままこの人に殺されたい”と言うような究極の恋愛を体験することはないでしょう…。
それは菊治の言葉にすると「かわいそうな人達」となるわけですが、でも私はそこそこの恋で満足です。愛によって殺されたい…なんて恋に溺れてしまったら、今度は日常の生活の方が現実ではなく異様な世界になってしまうようで。それでも日常の生活は営まなければならなので、と言うことは、異様な世界の方に長く身を置くことになるわけで…。そうしたらどんどん追いつめられて、結局破綻していくしかないと思うのですよ。

菊治の行為は殺人です。でも菊治は冬香が愛しかったから、ただただ冬香を快くしてあげたくて、冬香に求められるままに尽くした結果そうなってしまいました。でも弁護士が主張する“嘱託殺人”とも違うような気もするのです。裁判はそこら辺を理論で解決しようとします。でも究極のところで人間を動かすのは情の方だと思うのです。その極限の情を理論に嵌め込もうとしても…。公正公明と思っていた裁判にも、限界があるようです。
決して検事の女性は菊治と冬香の愛を認めようとしません。理解をしようともせず唾棄します。私は決して冬香のような情念は持っていませんが、でもせめて同性としてそれを理解しようとする気持ちだけは持っている女性でありたいと思います。
「ください…」素敵な言葉だと、女ながらもうっとりとしました。


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