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2008/03/30 23:15 こゆび44

【感想】小説『浮雲』

この小説には句読点が殆んどなく(後半の方になると出てきますが)、会話の時に使われる「」も受けの方がありません。でも文章の流れの調子が良くて、何かこう楽しくなってくるようなリズムでございました。
そして本来ならカタカナで表記される語を、あえて漢字表記にしているところがまた楽しいのです。例えば“ロジック”を“論争矩”、“ビスマルク”を“比斯馬克”とか、多分意味と音に合う漢字を充てているのでしょうが、遊びでこんなことをやったら面白いかも?

優秀で誠実だけれど、処世述に長けていない主人公・文三の人生の敗北を描いた作品。
官庁に勤めている文三は優秀で信念ある人間なのだけれど、口下手で立ち回りが悪く、上司にお世辞の1つも言えない。比べて同僚の昇は、さして学問は出来なければ信念も持たない野卑な人間でも、口八丁手八丁で巧みに上司に取り入ることが出来る人間。それなのに職場をクビになり職を失ったのは結局文三の方で、昇はどんどん出世していく。おまけに文三は、いい感じでお互いの恋心を育んできた女性・お勢までも昇に横取りされてしまう。
恐らく大抵の読者は、文三の逆転劇を願って読み進めていくと思うのですが、文三は敗れたままで、何とも中途半端なところで、「えっ?」と言う感じに物語りは突然プチッと終わってしまうのです。どうも作者は途中で書けなくなってしまったようです。それは身体の問題ではなく、気持ちの問題から。

一般的に言って文三は“いい人”、昇は“嫌な奴”になると思うのですが、でも実生活の中では高潔な文三は敗れ、卑屈な昇が勝利する…。本当は文三のような信念ある人間になりたいけれど、生き残るためにはそれを捨てなければならない…。「早くそんな奇麗事は捨てた方が、勝ち組になれるよ~。」ともう1人の自分が囁いている…。こう言った相克は、古今東西共通なものなのでしょうか…。
明治時代の頃、作者が答えを出せなかったこの矛盾。平成の現代においても、人々は未だに答えを出せず、浮雲のようにふわふわと世の中を漂泊しているような気がするのでございます…。


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