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2008/01/04 21:30 こゆび44

【感想】舞台『ビューティー・クイーン・オブ・リナーン』

~12月29日ソワレ・PARCO劇場にて~


幼い頃絵本で見たような暖炉とキッチンがある古びた部屋のセット。照明が明るくなり、これが舞台に浮かび上がった時、“この物語はいつの頃の話なのだろう…?”と疑問を持ちましたが、1990年代の現代だったと知って少し驚きました。
場所はリナーンと言うアイルランドの田舎町。町と言うより村と言った方がしっくりするかも知れません。高い丘のてっぺんにポツリと建っている小さな家に住む母娘の物語。外部から訪れた人達がきっとこんな家を見たら、特に都会から来た者達は「わぁ~、カワイイ♪」と無邪気に言うことでしょう。しかし、隔離されたこの小さな家は、風穴がなくて、住む母娘の苛立ちが吹溜っていました。この家に限らず、リナーンの住民達は皆イライラしているように見えました。住んでいるだけで人の心が荒んでいく…そんな土地もあるのかも知れない…こんなことを感じながら物語の世界に浸っておりました。

70歳になる老母・マグは、40歳の独身の娘・モーリーンをこの家に束縛し、何やかんやとこき使っています。モーリーンも負けずにマグに意地悪、時には虐待をして憎しみをぶつけています。モーリーンにとって“いつかこの家を出て行く”と言うことが唯一の希望になっています。
そんな鬱積した母娘の日々に、ある日モーリーンの幼馴染である男性・パトが現れます。パトの出現によって、一種異様な愛憎によって保たれていた2人の均衡が少しずつ崩れていき…行き着いたところは、結局母と娘の破滅でした。
ごく普通の母親であったら、40歳で独身の娘が結婚のチャンスを掴みかけたら喜ぶと思うのです。そりゃあ一抹の淋しさもあるでしょうが、でもそれより応援する気持ちの方が強いと思うのです。娘の結婚の邪魔をし壊してしまったマグの行為を、独占欲という歪んだ愛の形とも言えるかも知れません。でも、マグが何度か放った言葉「誰が私の面倒をみるのよ!」、この言葉が澱のように私の心に残っています。
ラスト、独りこの家に残ったモーリーンの姿。望んだ通り母親から解放されたのに、私は彼女がもっと不幸になったと思えてなりませんでした。“この家からも町からも母親からも逃げ出すのだ!”そんな唯一の希望すらなくなってしまった今、彼女は何をエネルギーにして生きていけばいいのでしょうか。あのままずっとモーリーンはあの隔離された古い小さな家の中で、マグのようにロッキングチェアに揺られながら独り生きていくのでしょう。一生処女のままで…。
何だか重い作品でございました…。

当初出演予定だった黒田勇樹さんが体調不良ということで降板され、代わりに演出の長塚圭史さん自ら出演されていました(笑)。これはちょっと得した気分になれましたね。恐らく随分と若い役だったと思うのですが、楽しかったです。きっと黒田さんが演じるものとは違った雰囲気になったのだと思います。
主役の大竹しのぶさんと白石加代子さんは、もちろん上手かったです。白石さんのマグはちょっと表情がオカルトぽくて…恐すぎ…。もっと普通でもよかったのではないかと思わないでもなかったのですが…。大竹さんのモーリーン。ちょっと精神的に病んでいる役は大竹さんの十八番(?)ですから、さすがでした。重いテーマでしたが、お二人とも笑いをとることは忘れず。もしかしたら憎悪なんて、それが強ければ強いほど、傍から見ると滑稽なものなのかも知れません。
パト役の田中哲司さん。田中さんはテレビのドラマに出演されているのを見たことがありますが、舞台はこの日が初めてでした。驚くほど素敵でした!映像で見るよりはるかに若く、背が高く…。こんなに違う俳優さんも珍しいのではないかと…(汗)。
出演者はこの4人だけでした。大人数の舞台もそれはそれで圧巻なのですが、こんな成熟した大人の役者さんによる少数精鋭の舞台もいいものです。芳醇な香りを楽しむような…そんな舞台でございました。


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