プロフィール

こゆび44

Author:こゆび44
ようこそおいで下さいました^^
50代前半の決してバリバリでないOLです。
兎にも角にも、身内にも他人様にも迷惑をかけない“御一人様老後”を目指しています。
あまり更新は出来ませんが、どうぞご贔屓にm_ _m

最近の記事
過去の全記事
過去の記事はコチラ
最近のコメント
カテゴリー
カウンター

五十路おひとり様予備軍のいつまでたっても……


--/--/-- --:-- こゆび44

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2008/01/18 13:52 こゆび44

【感想】小説『破戒』

信州の飯山を舞台にしたこの小説、読みながらその情景を頭のキャンバスに描いていったのですが、この小説が発刊された当時の挿絵を見る機会に恵まれ、その絵に描かれていた情景が、自分のイメージしたものとぴったりだったのには感動しました。それだけ作者の観察力と文章が優れているのだと思います。

明治、まだ部落差別の意識が民衆の間に横行していた頃の物語。自分が穢多(えた)と蔑まれる部落民であることをひたすら隠している青年教師・丑松が、父の「隠せ!」という戒めを破り、自分の素性を告白してしまうまでの話。
まず、この露骨なまでの差別意識と、あまりにもストーレト過ぎる差別行為に驚きました。差別する人間の方が卑しいとされる現代に生きる私の想像をそれは越えておりました。しかしそんな不条理な世の中においても、丑松は怒りを感じるよりも、絶望と恐怖に支配されています。警戒心と猜疑心と、そしてそれを上回る恐怖…。これらに翻弄される丑松の姿に、“話せばならないことを、話すべき人に告白出来ない…”そんな覚えのある人間は、その時の罪悪感と不甲斐なさを鮮明に甦らせると思います。隠そうとするから周囲も暴こうとする…。最初に開き直り堂々と全てを打ち明けてしまえば、その潔さが幸いして、物事も良い方向へ進んでいくものなのかも知れません。しかし、一度そのタイミングを逃してしまうと、後はもう最悪のところまで行き着くしかないような…。その一瞬のタイミングに勇気を出せるかどうか…そんなことも感じました。
不思議なことに、差別される人間は、同胞を忌むものです。穢多の丑松が穢多を卑しんでいる…人間の哀しい性だと思いました。

丑松の思いに反して、周囲の者達はどんどん丑松を追い詰めて行きます。そんな中、自分の尊敬する同じ穢多である先輩の潔い死に様により力を得た丑松は、ついに教え子達に自分の素性を告白することを決意します。教え子達の前で土下座をし泣きながら「許して下さい」と懺悔する丑松の姿に、憐れさと同情でいっぱいになりましたが、それと同時に、何で丑松が謝らなければならないのか?と言う怒りに近い疑問も浮かんできたのも確かでした。
破戒の後、丑松は、差別が横行する社会と闘おうとはせず、テキサスへ旅立ちます。現代の人間から見れば、それは逃げ出したと言うことになり、物足りなさやイヤな後味が残るような気もしますが、そういう時代だったのでしょう…。

それにしても、この丑松という人物、これはお気に入りの俳優さんに演じて欲しいキャラクターですねぇ…。


ランキングに参加しています。気に入って頂けたならポチッとお願いします。

スポンサーサイト

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

女の兄弟が欲しかったな | ホーム | 香水のマナー
Comment
同じような境遇、といっても40代独身というところしか合っていませんが、ともかくそういうことで読ませていただきました。

島崎藤村、渋いですね。
信州ですね

「やさしく白き手をのべて林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に人こひ初めしはじめなり」

もうずっと昔の話になっちゃいましたね。

また寄らせてください。
私も、これ読んでみます。大学生のとき、授業で部落問題を熱弁する教授と論議しあったことを、ふっと思い出しました。
mottさん> はじめまして。
ははは、渋いですか?この小説はまだ子供(?)の頃読んだことがありまして。その時は何だかよくわからなかったんですね^^;
これから、昔読んだ文学作品をまた読み直してみたいなぁ…なんて思っています。

どうぞ、またお寄り下さい^^


トリニティさん> どうもです^^
ぜひ読んでみて下さい。もしかしたら、私と全く違う感想をお持ちになるかも知れませんね。
部落問題は、この当時ほど露骨ではないにしろ、まだ場所によっては根強く残っている所もあるようですね。私には全く理解出来ないことなのですが…。




上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。